「花も嵐も踏み越えて…」大きなうたごえが聞こえます。
「桜で有名な根川緑道を越えて立川球場から大きな声援が聞こえてきます。
丁度高校野球の予選で日本ハムに入団した早実清宮選手への声援です。」
我々は「いつだって青春、青春真っ只中、私たちのうたごえを野球場まで届くよう大きな声で歌いましょう」。演奏会のスタートです。
私の家内のホーム入所支援から、快諾していただいた4人のメンバーで2016年6月にボランティア歌(*1)の広場としてスタート、隔月なのでこの2月で1年8か月、11回を数える。他に春と秋ミニ・コンサートを開催しています。メンバーは今や8人の大所帯です。
活動場所は至(*2)誠ホーム・アウリンコのデイホームで対象は約35~40名。
開催日の集合は午前10時30分、午後1時30分からの本番を前に伴奏者を中心に利用者目線で入念な打合せ・練習である。テンポ・スピード・キー・間奏の要否等々毎回2時間かけている。併設の食堂で麺類の昼食、たまにはファンの追っかけから団子、お稲荷さん等の差し入れもあります。
そして1時には演奏機器の搬入・歌詞カードの掲示・鳴り物楽器の点検を終え
冒頭の「旅の夜風」となるのです。
前半8曲、後半8曲合計16曲、童謡・唱歌・流行歌・抒情歌・フォークみんなで選んだ選りすぐりの曲ばかり。“たき火”では手の運動…グー・チョキ・パー・ポンを採りいれたり、“いつでも夢を”では男女の歌い分けをしたり、“紅葉”では輪唱をするなど工夫もしています。
圧巻はハーフタイムです。歌唱担当のソロです。学生時代から混声四部OBのいわばプロ多摩市、藤川さんの“あざみの歌”、元小平の男声合唱団団長、川嵜さんは“街の灯り”、さすがに多摩支部のトップアーティスト、歌い終わっても拍手鳴りやまずの大盛況。カラオケ十八番の国立の川野辺さんはバタヤンこと田端義夫の“かえり船”、最前列の男性が2,3番を歌詞カードも見ないで一緒に歌い、終わると涙ぐんでいました。歌の力ってすごいですね。最後は高原さん演奏で“UHO”、するとスタッフ8人が歌と踊りに参加していただき、利用者もサプライズに拍手大喝采でした。
締めくくりは故郷 「ではまたお元気で。」となるのですが、様々な声が聞こえてきます。「ブラボー」「新雪を歌ったら亡き主人を思いだして泣いちゃった」「今度菅原洋一を歌って」「ソロを増やして」「野ばらでもワグナーをね」とハイタッチなどもあり、みんなの素晴らしい笑顔、明るい声が会場いっぱいに広がっています。“元気を”と訪問したにもかかわらず、毎回逆に全員が元気を目いっぱいもらって帰ってきます。
話しは変わりますが、老いてもボケない3つのことは
① 仕事を持っていること(ボランティアを含む)
② 趣味を持っていること
③ 家族以外の人と話ができること
これらを踏まえ、ホームの方々に喜んでもらえるならば“明治はひとつ”
メンバーの絶大な協力をいただきながら“継続は力なり”、男性中心の渋さと力強さをメーンにボランティア活動を続けて行きたいと願っている次第です。
反省会は“国立名物うなちゃん”かな。
*1 歌の広場メンバー(コーラスグループ)
現在は川嵜信行(小平・1961経営)川野辺博(国立・1964政経)髙原真人(1971東京大工、唯一の他大)田代さとみ(国立・1984政経)圓谷和功(国立・1961法)沼尻哲(国立・1971商)藤川忠博(多摩市・1965商)松浦高明(国立1964政経)の8人。(東大1&明治7)スタートは川嵜・髙原・沼尻・藤川の4人。
*2至誠ホーム
正式名称は社会福祉法人至誠学舎立川 至誠ホーム。1912年設立、今年で106年目、軽費・特養・高齢者住宅・サ高住・ケアハウス・グループホーム・小規模多機能を立川、国分寺、調布で展開、更に幼稚園・保育所・障害者施設等
収容定員430名、診療所を併設し、全職員628名、ボランティア月1,200名を有する多摩地区最大級の高齢者施設・老舗である。またアウリンコはフィンランド語で太陽のこと。
国立地域支部 沼尻 哲